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2011年、そしてこれから

2011年、そしてこれからのワールドハーモニー・ランのすべての参加者の方に、
ユネスコ総会議長Davidson Hepburn氏からのメッセージ

近年、100か国以上でワールドハーモニー・ランの主催するイベントが数多く行われていることに感銘をうけております。手から手へと渡されていくハーモニー・ラン・トーチは一体感と平和のある世界を目指すべく、数えきれない人を勇気づけてきました。

調和や平和は単なる流行り文句ではありません。未来を見据えるにつけ、このランの提唱者であり、私の良き友でもあるシュリ・チンモイのメッセージを思い出さずにはいられません。彼はこう言いました-世界の平和は「現実である、神聖な現実、究極の現実である」と。このハーモニー・ランのようなダイナミックな活動は、この平和という現実を地球規模で示してきたのではないでしょうか。しかし、まだなすべきことは山積みしています。そして、ワールドハーモニー・ランの、より良い世界を築く助けとなる活動は、また始まったばかりなのではないかと思います。ですから、この素晴らしい試みをぜひ継続され、前年に達成したことを超えるご成功をお祈りします。

これまでワールドハーモニー・ランがされてきたことの中でも、特筆すべきことを以下に列挙したいと思います。

貴ランは、国連とユネスコの「平和の文化のための国際の10年」と「文化の和解のための国際年」(2010)を応援してくださいました。その結果、非常に多くのNGO団体、市民団体、市民の方々の参加をみることができました。このように裾野の広い参加は、我々のミッションのために欠かせないものです。ユネスコおよび国連はこれからも平和の文化のため、多様性を讃え異宗教間の協力を促進するため、どのような活動やイベントが必要なのかを明らかにしていきたいと思います。その際、ワールドハーモニー・ランの参加者のみなさんがこのようなメッセージを携え、世界中で地域に根ざした表現の機会を提供するのに大きな役割を果たしてくださることを確信しております。

重要な点として、多くの学校、サマーキャンプのプログラムが熱心にランに参加されています。青少年の参加は、国連とユネスコが支援する「国際ユース年」(2011年8月まで)とそのテーマである「対話と相互理解」をうまく補完してくださっています。ワールドハーモニー・ランは、今日の青少年に調和への強い願いを表現してもらうことで、明日の平和の文化のための基盤を構築しているのです。

ハーモニー・ランがユネスコ世界遺産を近年いくつも訪れてくださっているのもまた嬉しい限りです。世界遺産に見られる各地の文化独特の財産に国際コミュニティーが改めて気持ちをむける、そんなきっかけづくりをしてくださっているように思います。他の文化の遺産の素晴らしさを経験する機会をつくってくださっているのではないでしょうか。

このランのテーマソングはシンプルかつインパクトの強いものです。この歌声がたくさんの場所でいろいろな言語で力強く響き、また調和をテーマにした美術展が開催されてきたのは素晴らしいことです。 このような試みは普遍的な向上心を表現するべく人々をひとつにするからです。平和という精神のもとに、多様性に満ちた文化をお互いに分かち合うなかで気づくのです-我々をひとつにするものの方が、分かつものより遙かにたくさんある、ということに。

ワールドハーモニー・ランは多くの宗教、宗派、信仰をもつコミュニティーに歓迎されてきました。ハーモニー・トーチを手にするというのは、隣人への愛を表現できる、シンプルで具体的、かつパワフルな方法です。そしてこの思いは、多くの伝統また個人の信条の中核をなすものです。この「異宗教間の調和と理解」というメッセージを、教会、モスク、シナゴーグ、寺院等の神聖な場所で伝えることで、平和の文化と普遍的一体感の感覚を育む一助になることは間違いありません。

シュリ・チンモイのヴィジョンと精神のもと、世界中の人々が世界市民として活動する励みとなるよう、ますますご活躍の場を広げていかれ、ご成功が続くことを願っております。ワールドハーモニー・ランのようなイニシアティブは、ユネスコの主要な使命-平和と調和の文化を構築し強化するための相互理解と決意-の実現のための非常に重要な助けとなっているのですから。

Davidson L. Hepburn

 

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